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2021年1月29の日経概況

2021年1月29の東京株式市場は大幅に続落しました。
終値は前営業日比534円03銭(1.89%)安の2万7663円39銭でした。
米国市場の好調な動きを引き継ぎ、123円高でスタートしましたが、
異様な値動きをしている銘柄への措置で混乱がみられ、投資家心理が悪化、
大きく下げて今週の取引を終えました。
週間では下落、1月の月間では小幅の上昇で終わり、まだ波乱を含む形で来月を迎えます。
本日も最後までしっかりお読み下さい。

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【米国市場の動向】

米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発して、
前営業日比300ドル19セント(1.0%)高の3万0603ドル36セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して
前営業日比66.560ポイント(0.5%)高の1万3337.158で取引を終えました。

変動性を高める要因となっている、
一部の銘柄に対して、証券会社が取引制限を発表して、
米証券取引委員会が注視しているとのサインを出すなど、
市場の安定化につながる措置が取られたことで
投資家心理が改善、買いが進みました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が反発したことを好感して、
買いが先行、123円高で取引がスタートしました。
日米の市場を揺さぶっているのは
異常な値動きをしている銘柄に対する
米国市場の対応。

取引の制限をかけて、波紋が広がると
1日たたないうちにまた緩和するなど
混乱を招くような方針転換で、
投資家心理が悪化しました。

週末及び月末と言う要因も加わり、
ポジションを一旦手仕舞う売りが広がって、
午後に入っても下げのモーメンタムは緩まず、
28,000円を割り込んで終りました。

33業種中33業種が下落、83%の銘柄が下落など
全面安の展開でした。
不動産、証券、海運業のみが上昇、

直近の上昇が目立った電気・ガス業が利益確定に押され、
機械、非鉄金属な、電気機器など
景気敏感セクターに厳しい動きが広がりました。

日経の日足は負の丸坊主、
ヒゲがほとんど見られない陰線を形成しました。
スタートは前日より上離れして、
下げに転じた後は一貫して下げる流れで終りました。

支えとして意識されていた25日移動平均線を割り込み、
終値で一目均衡表の基準線に戻って終りました。
支えになるところを1つ下に抜けると
次のところが支えたと言う感じに見えます。

支えられてはいますが、ここを下に抜けると
さらに深い調整も考えられるので、
早計で動くよりは来週明けの動きをみてから
次の投資戦略を立てるのが良いでしょう。

商いは本日も好調で3兆円を超えました。
東証1部の売買代金は概算で3兆2329億円、
売買高は15億7635万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1834、
値上がりは314、変わらずは43銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

“1月が良ければ、1年よし”
ビジネスだけではなく相場にも
このような見方が存在します。

今日はどのように解釈すれば良いか迷ってしまう動きでした。
本日の大きな下落により週間ベースでは986円の
大幅な下落、月足を見るとわずかでありながら
プラスで今月を締めています。

月足だけをみると、いいのでは?と思ってしまいたいですが、
月の終わり方としては
そんなに気持ちのいいものではないでしょう。

日本市場の解説でも触れていますが、
市場の錯乱要因になっているのは
過剰な流動性を背景にした一部銘柄の異様な値動きです。
もちろん前日にふれたようなバブルと思える現象も
要因の一部として含まれています。

暗い話は述べましたが、ファンダメンタル的には
失望するような材料は見当たりません。
日米とも企業業績は堅調な結果が続いており、
本日の下げが大きく響いたものの、
市場全体がいきなり下げるトレンドに
転換するようなものではありません。

深めの調整を作ってくれるなら、
ここまでのスタンスを変えずに
押し目買いのタイミングだと思って良いでしょう。

来週も注目の企業が業績を発表して、
週末は米国の雇用統計が飾ります。
今週のような上下変動性を持つ動きは予想されますが、
主要な企業の業績が好調な状態でそろい、

雇用統計も景気回復を裏付ける内容になる場合は、
2月相場は調整になるとしても
長期的な上昇トレンドに戻る流れになるでしょう。

繊維、化学、パルプ、ゴム製品など
景気敏感・素材系には反転がみられず
もうちょっと調整が進む可能性あり、

鉄鋼、銀行業はある程度調整が進んできたので、
来週の反転もみられます。
反転のサインが堅調なのは不動産なので、
業種に加えて、REITの方にも目を向けてみましょう。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
27,663.39 -534.03(-1.89%)
ドル・円
104.48 – 104.49 +0.18(0.17%)
ユーロ・円
126.48 – 126.50 +0.35(0.27%)
ユーロ・ドル
1.2104 – 1.2106 +0.0011(0.09%)
NYダウ工業株30種(ドル)
30,603.36 +300.19(0.99%)
S&P500種
3,787.38 +36.61(0.97%)
ナスダック
13,337.158 +66.560(0.50%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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