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2021年3月19日の日経概況

2021年3月19日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比424円70銭(1.41%)安の2万9792円05銭でした。
長期金利が1年2カ月ぶりの水準に上昇した米国市場では
ダウが下落、ナスダックも大幅に反落しました。
日本市場は米国市場の流れを引き継ぎ、大きく売りが先行してスタート、
午後に入ると日銀の発表を受けて下げ幅を拡大させました。
来週の投資戦略を含め、
本日も最後までしっかりお読み下さい。

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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比153ドル07セント安の3万2862ドル30セント、
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに大幅に反落して
前営業日比409.035ポイント安の1万3116.168で取引を終えました。

前日の上昇でダウ工業株30種平均が
史上初33,000ドル台にのせたことへの達成感で
利益確定の売りが出たのが一つの要因。

もう一つは長期金利が1年2カ月ぶりの水準に上昇したこと。
ゼロ金利政策が2023年まで続くとの見解が示され、
長期金利が一時1.75%まで上昇しました。

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【日本市場の動向】

日本市場は長期金利の上昇で売られやすい
ハイテク関連銘柄の下落が目立った米国市場の
流れを引き継ぎ、朝方から半導体関連の売りが進みました。

午後に入って、日銀金融政策決定会合で
ETF買いはTOPIX連動型とする方針が明らかになると、
日経の寄与度が大きい値嵩株を中心に売りが膨らみました。

下げ幅は600円に達する場面がありましたが、
押し目を拾う買いが入り、
下げ幅を400円台に戻して取引を終えました。

日経の日足は上下髭をもつ陰線を形成しました。
前日の終値から下放れしてスタート、
そのまま陰線で引けたので、
下向けのキャップを形成しました。

高値では30,000円を超える場面もありましたが、
安値では25日移動平均線を一時的に割り込み、戻すなど
節目になるような指標2つに挟まれた
格好になりました。

前日は「2月16日に形成された最高値の終値を
本日の高値で超えるところまで進みましたが、
明日は反対にぬけると、一気に3万円を崩すことになりかねますので、
注意が必要です。」と解説、
懸念していた動きになりましたので、
週明けも本日の安値を割り込んで
下げが継続する可能性も念頭に入れておくのがよいでしょう。

株価指数の構成比率見直しで商いが大幅に増えました。
東証1部の売買代金は概算で4兆4456億円、
売買高は21億187万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は623、
値上がりは1491、変わらずは81でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

金曜日の日経は大幅な下落、
米国市場に救いを求めましたが、
20日の朝方に結果が出た19日の米株式市場は
ダウ工業株30種平均が続落、
前日比234ドル33セント安の3万2627ドル97セント、
ナスダック総合株価指数は反発、
前日比99.067ポイント(0.8%)高の1万3215.235と
まちまちな動きとなりました。

ダウを混乱させた原因は
米国で導入されていた資本規制の緩和が
延長されないと発表されたこと。

これを受けて19日の日経平均先物(米国シカゴ市場)6月物は
前日比385円安の2万9350円で引け、
週明けの日経に対する展望を暗くしています。

234ドル安はそれなりの下落幅と考えられますが、
私の見解としはむしろ、底値が堅いという印象です。
下げ幅が350ドルまで進む場面もありましたが、
下値では早速押し目買いが入るほど需給関係は良好、

その原因となっているのが、取引の主体の変化です。
政府からの給付金をもとにして家計部門が
株式市場に大量参入、最大の買い手になっています。

最大1,400ドルの2次支給があり、
ここまでの投資で利益を得ることができた
家計部門が資本規制の緩和中止だろうがなんだろうが
今更投資をやめて市場から資金を引き上げるのは
ないと判断するのがよいでしょう。

事情は日本市場も似ていて、
証券口座の開設が史上最多を更新したという
ニュースはよう耳にしていたことです。

以上のことを踏まえ、資本規制の緩和中止は
確かにインパクトのある材料ではりますが、
市場全体の流れを逆転させるほどのものではないと判断しています。

来週の戦略は週明けが弱かった場合、
中盤から持ち直し、後半に再び弱まる動きを想定して、
「バリュー株を中心とする物色」です。

日銀のETF買いがTOPIX中心になることで、
TOPIXが9連勝、これは一時的な材料ではないことを考えると、
一時的な押しがきても再びバリュー系が
物色される動きが加速するでしょう。

選定の方法はTOPIX500バリュー指数の
算出方法が参考になります。
(https://www.jpx.co.jp/markets/indices/line-up/files/cal_14_style.pdf)

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【各市場の動き】
日経平均(円)
29,792.05 -424.70(-1.41%)
ドル・円
108.85 – 108.86 -0.35(-0.32%)
ユーロ・円
129.51 – 129.52 -0.94(-0.72%)
ユーロ・ドル
1.1896 – 1.1898 -0.0050(-0.41%)
NYダウ工業株30種(ドル)
32,862.30 -153.07(-0.46%)
S&P500種
3,915.46 -58.66(-1.47%)
ナスダック
13,116.168 -409.035(-3.02%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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http://www.tbladvisory.com/topics/

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