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Leadership Training

ディスカッション用ストーリー

いつの間にかこの会社にもグローバル化の波が押し寄せている。

ワタナベ課長が率いる営業2課には5人の社員が所属しており、1人はフランス人の社員だ。日本語が堪能なA君は勤勉で仕事への情熱も日本人以上、とても頼れる戦力である。今回の人事異動ではA君を課長補佐として強く推している。これで彼のモティベーションも上がり、会社にもプラスになるはず。

人事異動の数日前、営業1課のタナカ課長から誘いがあった。タナカ課長は同じ課長というポジションだけど、ワタナベのOJTを担当し、新入社員時代からずっと尊敬している先輩だ。もうすぐ定年を迎える営業部長の次を任されると社内では疑う人がいないほど能力も高い。

タナカさんの話は衝撃的な告知だった。今回の課長補佐には営業1課のB君に決まっているのでフランス人社員のA君を宥めてほしいということだ。 B君は確かに優秀ではあるが、A君には及ばない。今年度の営業成績もA君の方が優れている。しかも、発表もある前から決まっているとはどういうことなのか?

理由を聞くと、今回退職する営業部長が最後に愛情を持って育てていたのがB君で、退職する前に昇進する姿をみたいと人事課に強くプッシュしたそうだ。人事課は営業部長への最後の礼としてB君の昇進に同意したらしい。

営業部長はワタナベも尊敬する人格者で、最後のお願いというならなんでもして上げたいと思っている。しかしA君は納得してくれるだろうか?しかも、「今回はあなたを強く推薦している、成績からしても間違いなくあなたに決まりでしょう」と約束までしてしまった状況だ。

予想通り、A君との面談は大揉めになった。能力で評価されるべき人事評価でどうして私情が入って、不当な昇進が行われるのか。A君の抗議は御もっともであり、反論の余地もない。しかし、日本には日本の文化もあり、壊しては行けない関係というのもある。さて、ワタナベ課長、どうする?

課題  グループでCase Study1について議論してください

A.ワタナベ課長はどのように決断すべきか

B.ワタナベ課長の決断はどんな影響を与えるか

C.あなたがA君ならワタナベ課長をどのように評価するか

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