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2017年10月11日の日経概況

2017年10月11日の東京株式市場は7日続伸しました。
終値は前営業日比57円76銭(0.28%)高の2万0881円27銭でした。
終値ベースで2015年6月24につけた高値を更新して、
1996年12月5日以来、実に20年10カ月ぶりの高い水準を記録しました。
また7日続伸も2016年12月の9日続伸に次ぐ記録で、
投資家が強気に傾いているのが容易にわかる動きになりました。
利益確定が進む場面もありましたが、続落から上昇に転じた米国市場、
2017年の経済見通しを上方修正したIMFの発表などを材料に
買いがすすみました。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は3営業日ぶりに反発しました。
ダウ工業株30種平均は反発して
前営業日比69ドル61セント(0.3%)高の2万2830ドル68セント、
ナスダック総合株価指数も反発して、
前営業日比7.521ポイント(0.1%)高の6587.252で取引を終えました。

一部の銘柄が物色されて指数を引き上げました。
大規模な自社株買いなどを発表したウォルマート・ストアーズが4%強上昇、
一つの銘柄だけでダウを24ドル推し上げました。

11月の原油輸出を削減すると発表したサウジアラビア発のニュースで
エクソンモービルなどエネルギー関連株が買われたことも
市場を押し上げる要因になりました。

ダウは3営業日ぶりに再び過去最高値を更新して
強い動きを続けました。

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【日本市場の動向:ファンダメンタル】

シカゴのCME日経平均先物は続伸して、
12月物は前営業日比125円高の2万0815円で引けました。
大阪取引所の終値を15円下回りました。

SGX日経平均先物は売りが先行してスタート、
45円安の2万790円で寄り付きました。
日本平均は利益確定を意識した売りが先行、
小動きのスタート、19円80銭安の2万0803円71銭で寄り付きました。

10時を過ぎると売りが一巡してから
機関投資家の買いが入ることで小幅の上昇に転じました。
徐々に上昇幅を広げて46円高の2万870円で前引けを迎え、
午前の終値ですでに20年10カ月ぶり高値を記録しました。

午後に入ると、午前の終値を挟んで膠着が続きましたが、
下落に転じることはなく、上値を保ちながら、
57円高で本日の取引を終えました。

保険、非鉄金属やその他製品などが上昇、
事件の見通しが見えない鉄鋼は下落率1位、
海運業、輸送用機器にも売りが広がりました。

東証1部の売買代金は概算で2兆3703億円、
売買高は15億3158万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は879、
値下がりは1045、変わらずは106銘柄でした。

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【日本市場の動向:テクニカル分析】

日経の日足は上下ひげをもつ陽線を形成しました。
前営業日の高値と安値を切り上げ、形上でも上昇になりました。
投資家心理が改善するような外部環境の改善のみならず、
テクニカル的にも20年ぶりの高値という大きな印を記録、
高値警戒感の中でも、買いは続いている、強い相場模様を見せています。

RSIは前日より買われすぎの目安となる80を超え、
サイコロジカルラインは今日から過熱を示すなど、
オシレーター系の指標は過熱感を出しています。

しかし、活況の中でオシレーターはそこまで力を発揮できないことが多く、
今回の上昇においても過熱感が出てから再び上昇する動きが続いてきました。
決算発表も出始めるところなので、
材料によって買い・売りが集中する場面を挟みながら、
21,000円を目指す動きになることだと予想します。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

この20年で日本株が最も高かった日は、
2015年6月24日、終値は20,868円でした。
本日の終値が20,881円27銭なので、20年10ヶ月ぶりに
高値を更新した記念すべき日になりました。
このコラムを読んでいる皆様は20年かけて到達した
歴史的な価格を目撃していることになります。

前日にも伝えた通り、現在の相場が内在している強さは
「内部要因」からの上昇ということです。
外部要因が悪化している中でも前日は強い動きを見せ、
本日もそれが続きました。
幸運にも恵まれています。

10日に懸念されていた北朝鮮絡みの地政学リスクが
何事もなく通過、日本市場の動きを後押ししてくれました。
もちろんそのおかげで、防衛関連として脚光を浴びていた
石川製作所や豊和工業などの「防衛関連銘柄」には
売りが広がる副作用もあります。

これにプラスして、まだ治る気配のない、むしろ広がりを見せる
神戸鋼の問題は注意して観察すべきニュースでもあります。
鉄鋼・金属はなんと言ってもすべての産業の基盤になる業種であるがゆえに、
一回広がりを見せると、中々収まるのが難しいと考えられます。

「潰れたりしないはずなので、十分下がったら買ってもいいですか?」という
質問もよくいただきますが、
「潰れるはずないでしょう」という安易な読みで飛び込むことで、
多大な損失を被ることを、タカタの時も、
少し前ならJALの時も我々は目撃しています。

普通に上げ相場なので、「堅実な銘柄」を選んで、
普通に流れに乗せていくこと、こちらの方が予測しやすいし、
安定しているので、私はこのような行動を取っています。

毎日、安定した流れを続ける銘柄は数百でも見つかります。
波乱を含む銘柄をわざわざ選び、余計なリスクを背負うことと
どちらが賢明な行動かはご自身で判断できるはずです。

テクニカル的に面白い位置にきているのに、
ファンダメンタル的にもまだ低いPERを見せる
<5019>出光興産などは普通に流れに沿ってついていける
好例ではないでしょうか。
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【各市場の動き】

日経平均(円)
20,881.27    +57.76     +0.28%
NYダウ(ドル)
22,830.68    +69.61     +0.30%
ドル(円)
112.39-40    -0.16円高    -0.14%
ユーロ(円)
132.86-90    +0.44円安    +0.33%

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