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2018年7月31日の日経概況

2018年7月31日の東京株式市場はわずかに反発しました。
終値は前営業日比8円88銭(0.04%)高の2万2553円72銭でした。
米国市場では前日に引き続きIT、ハイテク関連銘柄が
売られることで幅のある下落、
日本市場はその動きを引き継ぎ、200円下落まで進みましたが、
予想とは異なる内容になった日銀の政策会合を受け
急速に下げ幅を縮めました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】

米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は2日続落して
前営業日比144ドル23セント(0.6%)安の2万5306ドル83セント、
ナスダック総合株価指数は3日続落して
前営業日比107.414ポイント(1.4%)安の7630.005で取引を終えました。

IT、ハイテク関連銘柄の軟調が
市場全体の重荷になっています。
ナスダック総合株価指数は5日以来、
3週間半ぶりの安値を形成して投資家心理の悪化が進んでいます。

主力IT銘柄の下落に加えて、
クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが売られ
その影響で決済サービスのペイパル・ホールディングス、
Sqareに売りが波及しました。
アメックスの下落はWSJの報道が要因で、
海外決済の為替レートを無断で変更していたと伝わりました。

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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場でIT銘柄が売られ続落した流れを引き継ぎ
売りが先行してスタートしました。
買い支えるような要因も少ない中、
売りが進むにつれ200円の下げ幅まで見せました。

雰囲気が反転したのは午後に入ってから。
注目された日銀金融政策決定会合で、
日銀の金融政策自体は据え置きで小さなサプライズ、
ETF買いでTOPIX連動型を増やすと、予想通り、
注目された割には肩透かしに近い内容になりました。

長期金利の目標引き上げなどを想定していた予想から、
円高が進まないとの認識に変わり、
株式市場の下げ幅は縮小されました。

ファナック、ファストリなど、TOPIX連動型への
変更を想定して売られていた値がさ株に巻き戻しの買いが入り、
収益改善期待から買われていた銀行株は売られ
下落率2位につけました。

日経の日足は上下ヒゲを持つ陽線を形成しました。
実体は小さく、安値では75日移動平均線を割り込み、
上値ではボリンジャーバンドの+1σに抑えられる
典型的な迷いの形を作りました。

7/23の安値と25日移動平均線が意識され、
2つの節目を割り込む前に切り替えましたが、
明日も守られるとは限りません。

価格の変動幅は前日の日足を包み込む持ち合いなので、
明日の動きによって、
反発か、下げ継続かが決まりそうです。

商いは5月31日以来、2カ月ぶりの水準まで増加 、
東証1部の売買代金は3兆2635億円、
売買高は19億7243万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は613、
値下がりは1436、変わらずは54銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

本日の日銀発表内容をみると市場を意識はしているが、
意識し過ぎではないかという側面も見える内容です。
投資家が認識すべき大きな骨子は2つ

1. 長期金利の誘導目標はゼロ%程度に据え置き、
2. ETF購入は、TOPIX連動型の購入枠を増やす

1 は長期金利の目標を引き上げるとの予測が多くて
円を買ってドルを売り込む動きが見られただけに
ドルを買い戻す(円安)が進む動きにつながりました。

2に関しては市場に織り込み済みで、
値がさ株で関連銘柄は材料出尽くしで元の動きに戻りました。

では、1によって急速に円安が進むかというと
「超短期では進む」と予想しています。
本日の動きがそれを表し、 111円後半まで進んでいますが、
問題はその継続性です。

1への補足として、長期金利の変動幅に関しては
「倍程度の変動を念頭に置いている」と発言、
一時的なブレは容認するという内容で、
円安誘導にはプラス材料になっていません。

あれこれ言ってきましたが、筆者が感じる結論は
「物価目標達成もダメ、長期金利に関しても解決策が見出せず
対症療法に終始しました」とのシドロモドロ。
幸いなことに市場が錯覚してくれることで
円安傾向が継続してくれればプラス要因ですが、
思うほど市場はそんなに甘くないのではないでしょうか。

週末に予告した通り、方向感のない神経質な動きは続きます。

続いて、業績発表を終え、しっかりした
ファンダメンタルを持ち、
為替の変動を受けにくい部門に注目です。
一方、石油・石炭製品には過熱感が出てきたので、高値掴みに注意、
底を抜け出し始めた海運業は一回落ち着いてから
トレンド変換する際に注目です。

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【各市場の動き】

日経平均(円)
  22,553.72 +8.88(0.04%)
NYダウ(ドル)
  25,306.83 -144.23(-0.56%)
ドル・円
  111.05 – 111.06 +0.03(0.02%)
ユーロ・円
  129.98 – 130.02 +0.43(0.33%)

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