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2019年7月22日の日経概況

2019年7月22日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比50円20銭(0.23%)安の2万1416円79銭で終えました。
大幅利下げへの期待が後退したと認識され、先週末の米国市場が下落、
イラン情勢の緊迫化を受けた地政学リスクの高まりも相場を圧迫しました。
一方、選挙が大きな波乱要因なく終わったことや、その後の経済政策に期待する
心理が市場を支え、下げ幅は限定的でした。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に反落して、
前営業日比68ドル77セント(0.3%安)の2万7154ドル20セント、
ナスダック総合株価指数も反落して
前営業日比60.754ポイント(0.7%)安の8146.489で取引を終えました。

午前中はボーイングが発生しうる追加費用の規模を明らかにすることで
不透明感の物色だと認識され、買いが先行しました。
午後からはFRBの高官から0.5%の大幅値下げにネガティブな発言が出たことや

イランと緊張が高まることで地政学リスクが改めて意識されるなど
上値を抑える要因が強く意識され、
上昇幅を打ち消した後、小幅の下げでこの週の取引を終えました。

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【日本市場の動向】
日本市場は米国の市場を動かした要因が引き継がれました。
大幅な利下げへの期待が後退したことを材料に
売りが先行してスタート、

アジア市場も軟調な動きになることが伝わると、
下げ幅を広げ、イラン情勢の緊迫化なども加わり
投資家心理は悪化しました。

週末の間に行われた選挙の結果は市場にほとんど影響せず、
ただ、消費税増税を前にして経済政策に期待する動きや
決算発表を前に先回りして仕込みを入れる買いが入り
下げ幅を縮小させながら取引を終えました。

33業種のすべてが上昇した先週末から一転、
本日は6業種のみが上昇、
変化なしも2業種あるなど、様子見ムードが強くなっていることが
業種別の動きでも読み取れました。

東証1部の売買代金は概算で1兆6323億円、
売買高は9億530万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1318、
値上がりは730、変わらずは102でした。

日経の日足は長い下ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
上値はゴールデンクロス直前の25日線と75日線が
重なるところをタッチしてから戻し、抵抗に会っていることを示しました。

先週末の大きな陽線に包まれ、高値は切り下げ、安値は切り上げたので、
終値の動きとは関係なく持ち合いを形成、
上か下か、動き出す方向に振れる準備をしています。

今週は先週の木曜日と金曜日の2日の日足で
作られた範囲の中を往復するレンジ相場になりやすいので、
短期間で振れ幅を取りに行くデイトレードには向いている日が多いことでしょう。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

参院選の結果が出揃いました。
すでにご存知だとは思いますが、
「与党の自民、公明両党で過半数を上回る獲得、
しかし、改憲勢力として必要な議席数を獲得できず」でした。

各種世論調査と報道で予想されていた通りで、
サプライズは全くないことから、
市場はほぼ無反応、本日の動きで選挙関連は消化し切ったと思っていいでしょう。

為替と株式市場が材料にならなかったことから、
これからの政治・政策的なイベントは
日米の貿易交渉、そして10月の消費税増税に向けての経済政策の舵取りが
注目を集めることになります。

日米の貿易交渉については
中国の先例をみて判断する場合は米国の先制攻撃、
慌てた日本に対して、その後ナデナデ、というトランプ式も予想されますが、
交渉の長期化により株式市場の長期にわたる
方向感欠如の流れだけは避けてほしいところです。

消費税の景気への影響に関連しては
経済対策の時期や規模に関心が集まるのが当然予想されます。
6月21に閣議決定された
「経済財政運営と改革の基本方針2019」(いわゆる骨太方針2019)および
成長戦略実行計画、規制改革実行計画―などは
参院選を乗り越えるために関心の高かった
社会保障改革などに関して「骨太方針2020において政策を取りまとめる」と
議論を先送りして、「形骸化」を招いてしまった経緯があります。
これから、具体的な施策が取りまとめられることによって
経済全体の方向性および有望セクターが明確になってくると思うので、
随時アップデートしていきます。

今週は先週末に伝えた通り決算の本格化、
米国のFOMC(7/30~31)などの主要イベントにより
動きづらい相場になります。
しばらく辛抱の時期が続きそうです。

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【各市場の動き】

日経平均(円)
21,416.79 -50.20(-0.23%)
ドル・円
107.86 – 107.87 +0.22(0.20%)
ユーロ・円
120.99 – 121.03 -0.26(-0.21%) 
NYダウ(ドル)
27,154.20 -68.77(-0.25%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
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